新作『将棋無双・第30番 ~神局のヴァンパイア~』の公演を行うにあたり、昨年の詰将棋芝居をご覧いただいた、将棋連盟公認アプリゲーム『将棋ウォーズ』プロデューサーの石井直樹さんにインタビューしてきました!

本日は突然のインタビュー依頼にご快諾いただきまして、ありがとうございます。



いえいえ。よろしくお願い致します。



こちらこそよろしくお願い致します。それではさっそくお話を伺っていきましょう!
−Q1.



まずは昨年の公演についてお聞きしたいと思います。『将棋図巧・煙詰 ~そして誰もいなくなった~』で詰将棋と連動する物語を見たときにどのように感じたのか、印象などを教えていただけますか?



舞台の中に81マスの将棋盤があるというのがまず衝撃でした。



まあそうですよね(笑)。物語的にはいかがでしたか?



詰め手順的にこの駒は次にこう動くはずだけど、どんなふうに表現するのだろうと考えながら見られるという初めての体験で興奮したのを今でも覚えています。



将棋側のかたはそういう見方になるんですね。逆に、これは僕も含めてなんですけど、演劇ファンで将棋に詳しくないかたは、芝居の表現があって「駒の動きはそうなるんだ!」という見方になると思うので、対照的で面白いです。



あと、これまで将棋に触れることは少なそうな若い俳優のみなさんが、117手詰めというとんでもない長編の手順を一手も間違えないで演じているのにも感動しながら見ていました。



それについてはキャスト陣の稽古と努力の賜物です!
−Q2.



「詰将棋を実際に動かしながら物語と連動していく芝居」というのは、他に例のない新ジャンルだと思うのですが、これが広まっていく中で、将棋・詰将棋ファンの方々にはどのような影響を与えうる可能性があると思いますか?



芝居とコラボすることで多くの将棋ファンが理解できるものに昇華されると思います。「詰将棋は解いてなんぼ」という印象があるのですが、古典詰将棋などはその難解さもあって一部の方しか楽しむのが難しかったかと思いますから。



確かに、解答を見ても「▲8一と △同玉」とかの羅列なので、頭の中でそれがイメージできる上級者や実際に駒を並べる習慣がある人でないとチンプンカンプンですもんね。ちなみに、僕も詰将棋を解くのは好きですが、7手詰以上の問題になるとワケがわからなくなっちゃいます!



そういう、素晴らしさを理解してもらうのが難しかった詰将棋作品も、芝居にすることで楽しむためのハードルが下がるので、既存の詰将棋ファンはさらに深くその面白さに触れることができるようになるのではないでしょうか。



なるほど。そういえば、僕は元々混同していたのですが、石井さんによると将棋ファンと詰将棋ファンは厳密に言うとジャンルとしてちょっと違う(もちろんどちらでもある人もいますが)、と仰っていました。それは同じ将棋ファンでも「対局するのが好きな人」と「パズルとして詰将棋を解くのが好きな人」で分かれているということでしょうか?



大まかに言ってそういうことではあるのですが、近年では指すだけでなく、『観る将(自分ではあまり指さないが棋士や対局を観て楽しむ人)』といった楽しみ方もメジャーになってきており、ファンの形も多様化してきました。そういう意味では、この詰将棋芝居の登場により『芝居×詰将棋=芝居将』という新たなファン層も産まれる可能性を感じました。



ボクは柴田ヨクサルさんの将棋漫画『ハチワンダイバー(週刊ヤングジャンプ/集英社)』で十文字(『なるぞうくん』という将棋の駒を擬キャラ化して戦う棋士)に共感していたので、はじめから『芝居将』です‼
−Q3.



それでは、今度の新作についての質問に移りましょう。まずは石井さんの視点で『将棋無双・第30番』の見どころを教えてください。



まずは『馬鋸(うまのこ)戦法』で玉を追い詰めていく手順ですね。



はいはい(笑)。これは馬(成った角)が鋸の刃のようにジグザグ動きながら敵方の玉に近づいたり離れて行ったりする、中・長手数の詰将棋には度々登場する手順です。『将棋無双・第30番』でも2度登場しますね。ここは芝居的にどう表現しようか、ちょっと悩みました。



あとは何といっても最後の収束の仕方でしょう。詰め上がり図(敵方の玉を詰んだ時の盤上の駒の配置)は、きっと誰しもが美しいと感じるはずです!



そうですよね! 実際、僕もこの詰め上がり図を見て、「今回はヴァンパイアの物語にしよう!」と思い、創作しました。これらが実際どんなふうになっているのかは、『将棋無双・第30番』の問題をネットで検索していただければわかりますし、芝居的にネタバレでもなんでもないので(タイトルにしてるくらいですから!)、興味がある方は予習してみてくださってもいいかもしれません。
−Q4.



石井さんには、このインタビューを行うにあたって、事前に新作『将棋無双・第30番 ~神局のヴァンパイア~』の台本を読んでいただきましたが、楽しみなシーンはありますか?



ラストの展開がどのように表現されるのか、それが気になりました!



ああ~、まあそうですよね(笑)。あの詰んでからの、ラストですよね?



そうです!



そこは、僕はもちろん台本を書いていた時からどう表現しようかというイメージはあるのですが、まだ稽古中なのでどこまでちゃんとできるかわからないっていう(笑)。なのでこれは、石井さんも、この記事をご覧くださっているお客様も、見てのお楽しみということで!



見に行きます!
−Q5.



ここまでたくさんのお話を聞かせていただきましたが、これで最後の質問です。僕としてはこの先も詰将棋芝居の創作を続けていくつもりなのですが、今後、詰将棋芝居に期待することはありますか?



『詰将棋×芝居』という表現法は、将棋の新たな楽しみ方を届ける、まさに発明だと思います。なので、これをきっかけに、多くの新たな将棋ファンが生まれることを期待しています!



生まれてますよ、実際。これに出演したことがきっかけで、それまで全然将棋知らなかったのに「将棋にハマりました!」っていうキャスト、結構いますもん(笑)。



すごい!



そんな出演者には初心者から上級者まで将棋を楽しみながら上達することができるアプリゲーム『将棋ウォーズ』をお勧めしています!



ありがとうございます!



この記事や公演を見に来てくださるお客様もゼヒ、ダウンロードして遊んでみてください‼ 石井さん、本日はまことにありがとうございました‼
コメント
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[…] 。指し将棋をする人は「どうやって相手に勝つか」が軸にあるので、棋譜と物語の接点なんてこと考えもしないんじゃないかと仰っていました。(そちらのインタビュー記事はコチラ ) […]